内分泌(ホルモン)の乱れが生理の異常や不妊の原因になることがしばしばあります。ホルモン値は採血時期より変化しますので、月経開始後3~7日目までに行います。不妊治療の方には、AMH(抗ミュラー管ホルモン)も測定しています。
また、甲状腺機能異常が生理不順や不妊、流産の原因となることもあり、甲状腺ホルモンの血液検査も行います。
可能な検査
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神田駅東口から徒歩1分の不妊治療専門クリニック
日本産婦人科学会生殖補助医療実施登録機関・特定不妊治療助成事業指定医療機関
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経腟的に超音波検査を行うことによって、子宮筋腫、子宮内膜症あるいは卵巣腫瘍など骨盤内の異常の有無を調べることができます。
また、不妊治療においては卵胞発育の状態や子宮内膜の状態を知ることができ、排卵日の予測に有用です。排卵期には20mm程度の卵胞と8~10mm前後の子宮内膜が観察されます。
内分泌(ホルモン)の乱れが生理の異常や不妊の原因になることがしばしばあります。ホルモン値は採血時期より変化しますので、月経開始後3~7日目までに行います。不妊治療の方には、AMH(抗ミュラー管ホルモン)も測定しています。
また、甲状腺機能異常が生理不順や不妊、流産の原因となることもあり、甲状腺ホルモンの血液検査も行います。
卵巣の中にどれくらいの数の卵子が残っているかを調べるための血液検査です。
女性は生まれる前にすべての卵子ができています。20歳で排卵する卵子は20年前に作られた卵子で、40歳で排卵する卵子は40年前に作られた卵子です。性成熟期になり排卵が始まると、毎月1個の排卵がある陰では、約1,000個の卵子がなくなっていきます。AMHは原始卵胞からすこし進んだ前胞状卵胞から分泌されるホルモンで、このホルモンと残っている卵子数はほぼ比例するため、残っている卵子の数を表す指標とされています。
またAMH値は卵巣に残っている卵子の数を示すだけで、妊娠のしやすさを示すものではありません。AMH値が0に近いのに自然妊娠される方も多くいらっしゃいます。ただAMHが非常に低い場合には閉経が早くなる可能性があり、ステップアップを急ぐ必要があります。
AMHは、体外受精を行う際にどのような卵巣刺激法を選択するかを決めるための非常に重要な指標になります。
精子が子宮腔内に進入できるかを調べる検査です。性交後14時間以内に数時間後~翌日に子宮の入り口から頚管粘液を採取し、頚管粘液中に十分な数の運動精子が認められるか調べます。検査の痛みはありません。
子宮卵管造影は造影剤を子宮内に注入し、造影剤が子宮から卵管を通り腹腔内に流れ出す様子をX線で観察する検査です。子宮内腔の形、卵管の通り具合、卵管の出口周囲や腹腔内の癒着の有無などがわかります。また、治療的な効果もあり、この検査後妊娠されることをよく経験します。
よく痛いと言われていますが、痛みを抑えるための工夫がいくつかあり、軽い生理痛(もしくはお腹が下痢で差し込んだときのような痛み)程度で終わる方がほとんです。
当院では、原則水溶性の造影剤を使用します。水溶性造影剤は油性造影剤に比べ、お腹の中に残留することはなく、甲状腺機能への影響も少ないとされています。すぐに妊娠された場合も胎児への影響はありません。
ヨードに対するアレルギーがある方、喘息をお持ちの方には行わず、卵管通水検査を行います。
*他院におかかりの方の子宮卵管造影検査のみはお引き受けしておりません。
超音波に映る液体を子宮内に注入し、液体が子宮から卵管を通り腹腔内に流れ出す様子を超音波検査で観察する検査です。X線を用いた検査に比べると精度は落ちますが、造影剤アレルギーのある方、喘息合併の方には行っています。
*他院におかかりの方の卵管通水検査のみはお引き受けしておりません。
子宮内に内視鏡を入れ子宮内腔の状態を確認する検査です。
慢性子宮内膜炎や子宮内膜ポリープがあると、受精卵の着床を障害し妊娠率を下げます。子宮鏡で治療が必要な子宮内膜炎やポリープが見つかった場合、必要な治療を行ってから不妊治療を開始・再開します。
*他院におかかりの方の子宮鏡検査のみはお引き受けしておりません。
子宮卵管造影検査で卵管閉塞と診断された場合に行う検査です。
外来で行い、所用時間は5分程度です。子宮腔内に生理食塩水を注入するため、検査中は軽い下腹痛を感じることがありますが、麻酔なしで行える検査です。 3mmの太さの子宮鏡を子宮内に進め、卵管に1mm弱の特殊なカテーテルを1cmほど挿入し、色素水を注入して卵管の通過性を調べます。子宮卵管造影検査で卵管起始部閉塞と診断された場合でも、この検査で卵管の通りが確認できることが少なくありません。
*他院におかかりの方の子宮鏡下選択的卵管通水検査のみはお引き受けしておりません。
妊娠はするけれども、流産、死産を繰り返して赤ちゃんを得ることができない状態を不育症と呼びます。
一般的には2回以上連続した流産や、妊娠10週以降の原因不明の流産・死産を経験されたご夫婦が検査の対象となります。
流産は妊娠の10~20%に起こる妊娠最大の合併症です。2回連続して流産が起こる確率は4.2%、3回以上で0.9%と考えられます。日本では約3万人の不育症の方がいると推測されており、決して珍しいものではありません。
妊娠初期に起こる流産の約60~80%は受精卵の偶発的な異常(染色体異常)によっておこります。残念ながらこのタイプの流産を防ぐことは出来ません。年齢と共に流産の頻度が上昇しますが、偶発的なものですので次回の妊娠には影響しません。
しかしながら、不育症のご夫婦には、流産リスクを高める因子をお持ちの方がいます。リスク因子としては、内分泌代謝異常(ホルモン異常)、子宮形態異常、抗リン脂質抗体、血液凝固異常、夫婦染色体構造異常などが知られています。
ただし、リスク因子があるからと言って、100%流産や死産に至るというわけではありません。不育症と診断されても80%以上のご夫婦が生児を得ておられます。
検査には保険が適応される項目もありますが、自費診療となる項目もあります。
不育症の検査は、妊娠の影響を避けるため、流産後1~2回の月経が来てからの検査をお勧めします。
まずリスク因子の有無をチェックし、リスクがあればそのリスクに対応した治療を行います。
血液凝固異常や免疫異常を認める場合は、程度や流産歴に応じて低用量アスピリン単独療法や、低用量アスピリン+ヘパリン併用療法をお勧めします。
子宮形態異常を認めた場合は、その異常が流産のリスクとなっているか、手術が必要なのかなどを個別に判断いたします。手術が必要な場合、連携先の病院にご紹介いたします。
リスク因子を特に認めないご夫婦もしばしばいらっしゃいます。リスクを認めずご安心いただける方もおられますが、リスクがないことで、かえって不安になる方もいらっしゃいます。リスク因子のない方への薬物療法の有効性は現時点では示されておりません。このような方にはテンダーラビングケア(頻回に赤ちゃんのエコーをするなど)をお勧めしています。
近年、慢性子宮内膜炎と着床障害との関係が注目されています。慢性子宮内膜炎では、細菌感染などによる子宮内膜間質への形質細胞(CD138陽性細胞)の浸潤が見られます。内膜の組織を採取して、形質細胞(CD138陽性細胞)を特殊な染色で染める(免疫染色)ことで、慢性子宮内膜炎の診断がつきます。
内診台で子宮内膜組織を採取します。痛みは通常麻酔なしで行える範囲です。
検査時期は正確な診断を行うため月経終了後~排卵日前までに行います。
*月経が終わっていない時期や不正出血がある時に検査を行った場合、血液中の形質細胞が検出されてしまう可能性があり、正確な結果が出ないことがあります。
CD138陽性細胞を複数認めた場合は、抗生剤治療を行い、内服終了後に治癒確認のための再検査を行います。
*現在、子宮内膜炎の評価は、先進医療のEMMA・ALICEをメインとしております。
体外受精で行う胚移植では、胚の受け入れ側、すなわち子宮内膜を着床可能な状態にしているつもりでも、必ずしも準備が整っていない場合があります。
ERA検査では融解胚移植を行う場合に、移植する日の子宮内膜が着床可能な状態にあるかどうかを、子宮内膜の遺伝子発現を調べることにより調べることができる検査です。
ERA検査結果より、20~30%近くの方の「着床の窓」が前後にずれているということが分かってきています。移植に最適な時期を特定した「個別化された胚移植」を実施することで、妊娠率が24%向上するといわれています。
ERA検査は結果が出るまでに2~3週間要します。検査結果によっては再検査、再々検査の場合もあります。なお、検査周期では検査だけを行いますので、移植は行いません。同じく着床の検査であるEMMA やALICEと同時に検査することができます。
EMMA検査は、子宮内膜の細菌の種類と量を測定し、子宮の細菌バランスが胚移植に最適な状態であるかどうかを調べるための検査です。
従来、受精卵が着床する子宮内は、「無菌状態である」と考えられていましたが、近年、子宮内にも細菌が存在していることが分かり、特に反復着床障害の方では、子宮内膜のラクトバチルス(乳酸菌の一種)の割合が妊娠率に大きく関わることがわかってきました。
自然周期、ホルモン補充周期の移植の予定日に実施します。
がわかります。ラクトバチルスが9割以上である方とそうでない方とでは、妊娠率・生児獲得率に大きな差があることが示唆されています。
乳酸菌が優位でない場合には、適切な治療をご提案いたします。
慢性子宮内膜炎は不妊症女性の30%、習慣性流産や着床不全女性の約66%が罹患しているといわれています。
ALICE検査は、従来の方法では特定することが難しかった慢性子宮内膜炎の原因菌を検出するための検査です。
子宮内膜炎は、子宮内膜に炎症が起きている病態のことで、細菌感染が主な原因です。
子宮内膜に炎症が起きても、月経時に子宮内膜がはがれると共に、炎症を起こしている細菌が体外へ出ていくことで自然に治る場合があります。このような一時的な炎症を急性子宮内膜炎と言います。
一方で、細菌が子宮内膜の深い層まで入ってしまうことがあります。この場合子宮内膜が作られる度に感染してしまうので、自然には治りません。これを慢性子宮内膜炎といいます。
慢性子宮内膜炎に自覚症状はほとんどなく、自分では分からないことがほとんです。そのうえ従来の検査では、正確でない場合や原因菌を特定できない場合があります。
ALICE検査は、子宮内膜炎に関与していると言われる10種類の病原菌の有無や割合を調べることがでできます。
検査結果で対処が必要な場合は、検出された病原菌に対する治療に必要な抗生物質やプロバイオティクスをご提案いたします。
各検査の費用は以下の通りとなっております。
ERA | ¥132,000 |
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EMMA+ALICE | ¥63,000 |
ERA+EMMA+ALICE(TRIO) | ¥195,000 |
子宮内腔には108種類の細菌が存在し、このなかの乳酸菌(Lactobacillus)が占める割合の多い少ないが着床率、妊娠率、妊娠継続率、流産率などに影響するとされています。
子宮内フローラ検査は、不妊症や不育症が子宮内環境が良くないことに起因すると考えられる場合や、慢性子宮内膜炎が疑われる場合、体外受精で形態良好胚を移植したにも関わらず妊娠されない場合、反復着床不全と考えられる場合などに行います。
月経以外の時期に、子宮内膜組織や子宮内腔液を吸引して行います。数秒間の生理痛様の痛みを伴い、まれに子宮内感染の可能性があります。
料金は¥44,000(税込)、2回目以降は¥33,000(税込)となります。
検査結果は2~3週間後となります。乳酸菌(善玉菌)の割合と、その他の細菌(悪玉菌)の割合や種類がわかります。乳酸菌が占める割合が90%以上が良好な子宮内環境です。
悪玉菌の割合が多い場合、まず抗菌薬を1週間程度内服していただき、その後、善玉菌である乳酸菌(Lactobacillus)を膣内もしくは経口投与することで、子宮内環境の改善をはかります。
妻や夫がB型肝炎、C型肝炎、梅毒、AIDSなどに感染していて妊娠すると、生まれてくる子どもが感染することがあります。また、院内感染予防のためにも当院にて人工授精や体外受精/顕微授精を希望される患者さまには、ご夫婦で感染症検査を受けていただきます(有効期限1年間)。
精液検査により精液量、精子濃度、運動率、精子奇形率、白血球数を調べます。男性側に原因のある不妊は全体の40%以上を占めるので、精液検査は基本検査として早期に行っていただきたい検査です。
精液検査は2~7日間の禁欲期間で行います(それ以外は参考値となります)。
※男女で不妊検査・治療をされる方を対象としております。
精液検査は原則ご持参でお願いしています。ご本人様もしくは奥様の初診時に容器を無料でお渡ししますので、後日男性のお名前で「精液検査(持参)」枠でご予約のうえ、採取後2時間以内にお持ちください。結果を当日ご希望の場合は1時間程度お待ちいただければ当日お伝えできます。
初診時に検査ご希望の場合は、採精室(1回30分まで2,200円)をTEL予約していただくか、お手数ですが事前に当院受付まで容器を受け取りにいらしていただくかになります。