2026年4月13日
排卵時期の鎮痛薬は、種類や飲むタイミングによっては排卵そのものに影響しうるため、妊活中は注意が必要です。
・排卵痛と鎮痛薬のしくみ
排卵のとき、卵胞が破れて卵子が飛び出しますが、この過程には黄体化ホルモン(LH)だけでなく、痛みや炎症にも関わる「プロスタグランジン」という物質も重要な役割を果たしています。
一方で、ロキソプロフェン(商品名:ロキソニンなど)やイブプロフェン(商品名:イブ、イブクイックなど)などのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジンの産生を抑えることで痛みを和らげます。
・排卵への悪影響が懸念されるケース
NSAIDsは排卵に必要なプロスタグランジンも抑えてしまうため、排卵が遅れたり、卵胞が破れない「黄体化未破裂卵胞(LUF)」が起こる可能性が報告されています。
実際に、解熱鎮痛薬を排卵期に使用した女性で、排卵抑制による不妊がみられたという報告や、実際に当院でも採卵前の排卵抑制目的にNSAIDsを用いるケースもあります。
そのため、タイミング法や自然妊娠を目指している方では、排卵直前〜排卵期にかけてNSAIDsを連日使用することは、妊娠のチャンスを減らす一因になり得ます。
・影響が少ないとされる薬と使い方
同じ鎮痛薬でも、アセトアミノフェン(商品名:カロナール、タイレノール)を成分とする薬は、NSAIDsとは作用機序が異なり、排卵への影響が少ないとされています。
妊活中で排卵時期の痛みや熱がつらい場合は、まずはアセトアミノフェン製剤を選ぶ、どうしてもNSAIDsを使う場合は「排卵期の連日使用を避ける・必要最小限の量と日数にとどめる」といった工夫が望ましいでしょう。
なお、生理中の一時的な鎮痛薬使用は、その周期の排卵や妊娠に直接の悪影響を与える可能性は低いとされています。