2026年4月13日
性交後検査(PCT・ヒューナーテスト)は、近年その有用性に対して否定的な意見も多く、実施しない施設も増えています。検査結果にばらつきが出やすいことや、妊娠率との明確な相関がはっきりしない点は、確かに課題とされています。しかし、日常診療の中では「全く参考にならない検査」とまでは言い切れず、当院では一定の意義を見出しながら選択的に実施しています。
例えば、PCTが不良であった場合、頸管粘液中に運動精子がほとんど確認できないケースでは、タイミング療法を続けるよりも人工授精へ進む判断がしやすくなります。患者さんにとっても「次の段階へ進む理由」が明確になり、治療の納得感につながることが少なくありません。
一方で、PCTが良好な場合には、自然妊娠に必要なプロセスの一部が保たれていると考えられ、実際に妊娠に至るケースが多い印象があります。そのため、一定期間はタイミング療法を継続する根拠にもなります。ただし、PCTが良好で、卵管も詰まっていないにもかかわらず不妊期間が長い場合には、受精や着床など他の要因が関与している可能性を考え、早めに体外受精へのステップアップをお勧めしています。
PCTはあくまで補助的な検査であり、結果のみで方針を決定するものではありません。しかし、「続けるべきか、進むべきか」を考える一つの材料としては、今なお臨床的価値があると感じています。