2026年4月11日
「人工授精は何回くらい行えばよいですか」「体外受精に進むタイミングがわかりません」といったご相談は非常に多くあります。不妊治療では、タイミング法、人工授精、体外受精と段階的に進めることが一般的ですが、すべての方に同じ順序や回数が適しているわけではありません。年齢や不妊期間、検査結果によって、適切なステップアップの時期は異なります。
人工授精の妊娠率は、一般的に1回あたり10%前後とされており、複数回行うことで累積妊娠率が上昇します。ただし、その多くは初回から3~4回目までに集中するといわれており、5~6回以上繰り返しても妊娠率の上乗せは大きくないとされています。そのため、一定回数行って結果が得られない場合には、体外受精へのステップアップを検討するのが合理的です。
また、女性の年齢は重要な判断材料となります。年齢が上がるにつれて卵子の質は低下するため、人工授精を長期間続けることは得策ではありません。特に35歳以上の方や、AMH低値など卵巣予備能が低い場合には、人工授精の回数を限定し、早めに体外受精を検討した方が結果につながりやすいこともあります。
体外受精では、卵子と精子を体外で受精させるため、受精の過程を確認できる点や、良好な胚を選択して移植できる点が大きなメリットです。
人工授精を何回行うかに明確な正解はありませんが、「年齢」「不妊期間」「検査結果」「これまでの治療経過」を踏まえ、無理なくかつ時間を無駄にしない判断が大切です。治療の見通しを共有しながら、最適なタイミングでのステップアップを一緒に検討していきます。
🌹当院でも人工授精でご妊娠される方の多くは、3~4回目までに結果が出る傾向があります。最近では7回目でご妊娠された方もいらっしゃいましたが、一般的にはやや稀なケースといえます。
また、体外受精が2022年4月から保険診療となり5年目を迎えましたが、2026年4月からは東京都において自己負担分に対する助成制度も開始され、以前と比べて体外受精へ早めにステップアップされる方が増えている印象です。
体外受精の大きなメリットは、妊娠率の高さに加え、凍結できた胚を次回以降の移植に活用できる点にあります。これにより、将来的な第2子以降の治療にもつなげやすいという利点があります。